楽曲制作後すぐにコロナにかかってしまい(3回目)、
遅ればせながら昨日、千穐楽の配信のアーカイブを観させていただきました。
素晴らしかった…余韻がすごいです。
配信だと声優さんの表情や衣装の細かいところまでよく見えて面白かったです。
でもやっぱり生で観たかった。
たくさんの素敵な表現に溢れたこの作品の一員になれたこと、とても光栄です。
ありがとうございました。
4/21の夜までは配信のアーカイブを観られるそうです。ぜひ。https://www.openrec.tv/user/mahoiku_rodoku
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今回制作したのは後半の『doubleshadow』の24曲でした。
音楽チームをご紹介させてください。
阪田芙優(さかたふゆ)さん。
今回も編曲、ヴァイオリンとヴィオラの演奏、そしてM15.5(扉を閉鎖する場面)の作編曲もお願いしました。
限られたスケジュールの中で、阪田さんと二人三脚で常に緊張感を持って楽しみながら作ることができました。
いつも私の見えている景色をしっかり受け止めてくれてかたちにしてくれます。
しかもわんこそばのペースで。かっこいい人です。
彼女自身もまほいくのファンということで、編曲の説得力がすごかったです。
彼女も編曲についてのお話を書いているので、ぜひ読んでみてください。https://fusetter.com/tw/prVZtkYL#all
川口直久(かわぐちなおひさ)さん。
M6(高速道路の場面の曲)の編曲と演奏をお願いしました。
ギターかっこよすぎませんか?
いつも丁寧にいろんなことを確認してくれます。かっこいい人です。
作曲とピアノは小林でした。
そして、新しく作らせていただいた楽曲のお話です。
今回も前作に引き続きいろんな楽器を使いました。
ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ、オルガン、オーボエ、クラリネット、ファゴット、フルート、ホルン、トロンボーン、パーカッション、ドラム、ギター、ベース、パーカッションいろいろ、チェレスタ、音源ソフトのドンドコドンドコというリズム、など。
世界観の軸は前回で既に出来上がっていたので、そこに乗りつつ『doubleshadow』の魔法少女たちの音を探していきました。
今作も楽器にキャラクターを割り当てました。
1st ヴァイオリンは高貴なプフレ。
2ndヴァイオリンはプフレに寄り添うシャドウゲール。
ヴィオラはシャドウゲールになれないジップ。
チェロはジップを支えるエーコ。
オルガンは魔王パム。
前作の曲もいくつかアレンジしたり、ミックスし直したりして、今回もやれることはやり尽くしたかなと思います。
M0(OP)…doubleshadowのテーマ曲。
舞台のスポットライトのような月の光の中で、ひとつの影(ヴァイオリン)がすーーっと伸びていき、途中から2つに分かれていく、そんなイメージです。
実はピアノが”ファソラ♭シ♭ラ♭ソ、ファソラ♭シ♭ラ♭ソ…”というフレーズを繰り返しているのですが、数字で言うと”1,2,3,4,3,2,1,2,3,4,3,2…”となっていて、
今作のキャッチフレーズで「運命の歯車が回り出す」とあったこと、そしてプフレが車椅子に乗っていることから、ぐるぐると回るメロディにしてみました。(コードは進んでいくので、進んでいます。)
マルイノ先生のキービジュアル、今回もデスクトップに表示させていただいていました。素敵すぎる…!
M3…人小路家の邸宅の場面。クラシック曲のバッハのプレリュードハ長調を弾きました。
こういう匂いのする曲を作ろうと思ったのですが、この曲があまりにも完成されすぎていて曲をつくることができなくて、思いきって相談して使わせてもらいました。久しぶりに弾けて気持ちよかったです。
M4…ジップとエーコのテーマ。再会のときの懐かしさ、かわいらしさ、切なさ、まっすぐさ、繊細さ…いろんな角度から見ても馴染むメロディにしてみました。戦闘曲の中にもちょこちょこ出てきます。
M7…プフレとシャドウゲールのテーマ。
ジップとエーコのテーマに比べると少しおどけたかわいらしさになりました。
はじめはプフレのテーマ。「なあ、護?」という感じです。途中から転調して、「はいはい、わかりましたよ。」とついていくシャドウゲールのテーマ。2人で月明かりの中でワルツを踊るように、前半は軽やかに、後半はゆったりと。
M8…ジップとエーコのテーマの木管楽器バージョンなのですが、かわいいはずのグロッケン(鉄琴)の音がこんなに寂しく悲しく響いてしまうなんて、と、驚きました。
M14、14.5…3つあるうちの戦闘曲の2つめ。阪田さんの編曲が素晴らしくて、演出の田邊さんからも「最高です!」の言葉が出た1曲です。
M20…最後の場面の曲です。
前作でも使った曲ですが、少し音のバランスを直しました。
担当させていただいた『朗読劇 魔法少女育成計画』の第2弾、第3弾の音楽の中で、いちばん象徴的な曲になったんじゃないかなと思います。
ピアノとストリングスの曲なのですが、息苦しさ、絶望、虚しさ、嘆き、わずかな希望、少女たちの儚さ、まほいくの世界のあの腹の底から来るむせ返るような感覚…そして物語が続いていく、という感じです。
ストリングスとピアノが綺麗にはまって、魔法少女たちの息が聴こえるような音楽になれたかなと思っています。
あと、曲が切り替わるタイミングと、プフレとシャドウゲールの会話のタイミングに鳥肌が立ちました。
長く愛されているまほいくの音楽を担当するプレッシャーは大きかったのですが、演出の田邊さんはじめ、ご一緒させていただいた方々のおかげで安心して制作に集中させていただき、無事に乗り切ることができました。
アニメの2期も決まっているとのことで、わくわくですね。
改めて、ありがとうございました。