こんにちは。
小林未季です。
昨年の7月から書いては直し、今日に至ります。
タイトルの通りです。
センシティブな内容なので、書いていいものか悩んだのですが、
関係者の方々にやさしく背中を押していただき、お伝えすることにしました。
少し長くなりますが、お付き合いください。
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2016年、『キャスタウェイ』を発表しました。
そのMVがきっかけで、とあるアニメーションの主題歌の依頼をいただきました。
声をかけてくださったのは「劇場版ベヨネッタ ブラッディフェイト」等の作曲をされている和音正人さんでした。
はじめは詐欺ではないかと疑ってしまったのですが(あの時は大変失礼しました!)
しっかりと考える時間をいただき、お引き受けしました。
そこからは、思いつく限りのことはやりました。
ボイトレに通ったり(日髙悠里先生、大変お世話になりました!)
ダイエットしたり(これはあまり成果が出なかった)
インタービューの練習もしたりしました。
素晴らしい環境下でいろんな方に支えていただきながら、
なんとかレコーディングを終え、
素敵な劇伴のレコーディングにお邪魔し、関係者の方々にもご挨拶をし、
さあ、あとはアニメの完成と発表を待つだけ。楽しみですね。という状態でした。
2020年、そのアニメーションは、思いもよらないかたちでテレビ放映されました。
私たちの知らないところでアニメーションは完成していました。
制作会社や声優さんなど全て変更されていて、主題歌も別のアーティストの方でした。
和音さんから連絡をもらい、時が止まってしまったような感覚の中、
そのときは回らない頭でただただ和音さんを励ましていたような気がします。
大きな規模で動いていたので、話を聞いたときには受け止めきれず、
しばらくは何も信じられませんでした。
詳しい事情は書けないのですが、
アニメーションの制作が途中で止まってしまったそうです。
そして、そういうことは、そんなに珍しくないそうです。
仲良くさせていただいている制作担当の方が丁寧にいろいろ教えてくださり、
アニメの世界は想像以上に大変なところなのだと知りました。
そしてこの時に主題歌として発表される予定だった曲が、
2020年10月にデジタルリリースされた『unabara』です。
(現在BIG UP!から配信されております)
https://big-up.style/Thp6crO24D
![](http://kobayashimiki.com/wp-content/uploads/2023/04/unabara_artwork.jpeg)
作曲は和音正人さん。
レコーディングエンジニアは檜谷瞬六さん。
ミックスエンジニアは相澤光紀さん。
ボーカルは小林未季。
レコーディングはSONY乃木坂スタジオで行われました。
勘の鋭い方は、
「え?1番だけ?随分短いな」と思われたかと思います。
それはアニメに合わせた尺だったからです。
タイトルのみ変え、それ以外は全てそのままです。
あんなにみんなでがんばったのに、一瞬で全て無くなってしまった。
からっぽになってしまった。
ただただ悔しかったです。
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そして、その1ヶ月後にコロナの影響で緊急事態宣言が実施され、
この話をみなさんにお伝えする以前に、
そもそも音楽活動自体がどうなるかわからない状況になってしまいました。
なぜかピアノに向かうことだけはできました。
その中で『A New Normal』を作曲し、
なんとか好きな人たちに声をかけ、発表することができました。
(現在Tune Core Japanから配信されております)
https://linkco.re/h2YpnbF0?lang=ja
![](http://kobayashimiki.com/wp-content/uploads/2022/10/ANewNormal_artwork.jpeg)
viola 大辻ひろの
1st violin 島内晶子
Piano and Programming 小林未季
Chorus 太田裕哥、 Cana Sotte Bosse、 kaho*、 川口直久、かわはらだゆうま(ツバクラメ)、如月愛里、小林未郁、辻村崇、manzo、夕見子
Music Video Photography 浅見俊哉
Direction 松谷ヒロキ(パップコーン)
Composed and Mixed by 小林未季
私がこのとき歌唱メンバーに参加しなかった理由は
そのときボーカリストとしてチャンスを掴むことができなかった人間だから、と
心が折れてしまったからでした。
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2021年、流産。
幸い周りには優しい方ばかりで、会えば気持ちは紛れたのですが、
毎晩泣いて、一人のときは死ぬことも考えていました。
何も残っていない私を支えてくれていたのは、作曲のお仕事でした。
そこで出会えた方々も本当に素敵な方ばかりでした。
制作スケジュールはなかなかシビアでしたが、
その中でも本当にのびのびと私らしく曲を作らせていただき、
みんなでつくる喜びが私を安心させてくれて、
生きることへ導いてくれました。
作曲家としても少しずつ規模が大きくなっていく中で、
先日のSNSにも少し綴った通り、気持ちの整理がついてきました。
![](http://kobayashimiki.com/wp-content/uploads/2022/07/7C51FB7F-E726-4B09-9787-592F72B90E04-1024x828.jpeg)
そして、2021年末、再び妊娠、そして2022年出産。
これが、私のここ数年のできごとでした。
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成し遂げられなかったことを書くなんてダサい、と思われるかもしれません。
でも、このできごとは私が人生をタフに生きるきっかけをくれました。
私は、今の私が好きです。
そして何より、こんなに大きなチャンスを作ってくれたのは、
他でもない、応援してくれている方々や、仲間、作品に関わる方々です。
本当に、本当にありがとうございます。
決して無かったことにはできない、試行錯誤と努力の日々。
第一線で活躍されている方々との繋がりと素晴らしいエネルギー。
プロの仕事。そしてチームワーク。信頼関係。
そこで得られた経験は本当に大きく、
今の音楽のお仕事をさせていただく時の基準となっています。
気が狂うほど苦しかった数年でしたが、
その中でも仲間と呼べる大切な人たちが増え、大切な家族も増えました。
もしかしたら今の幸せな生活を選んで生きるためには
必要なことだったのかもしれません。
とはいえ、やっぱり悔しい気持ちは時々夢になって現れるくらいなので(笑)。
もし小林未季の音楽がお役に立てる場面がありましたら、ぜひお声がけください。
何卒よろしくお願いいたします。
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これからはシンガーソングライター、作曲家、そして母親という3つを軸に生きていくことになりますが、
ひとつひとつ大切に向き合い、
そしてみんなが笑顔になれるような新しい風を吹かせられたらなと思っています。
シンガーソングライターとしての活動は、
新曲が3曲、既存曲のリメイクを含めて5曲のレコーディングを進めています。
作曲家としても既にお仕事をいくつかいただいています。
母親としては、いろんなところで手を抜きつつ、
たくさん笑いながら日々乗り越えています。
もっともっとたくさんの景色を吸収していきたい。
そして、これから出会える人たちも含めて、大好きな人たちと共に、
そのときにしか描けない心象風景を全力を尽くして残していきたい。
いつか自分が死ぬときには、
ああ悔いのない楽しい人生だった、全てやり尽くした、と言って、笑って死にたい。
そこに向かって、生きていくだけです。
これからの小林未季の音楽も、どうぞよろしくお願いいたします。
小林未季
全て、読む者を信頼して書かれた、真摯で誠実な言葉だなと、心底感嘆しながら読みました。
これからの未希さんに期待しますし、この文章を読んで、改めて「信頼し、期待するべき表現者だなあっ」と思いました。
CDもリリースされるだろなっ!
ライブも、また観たいなあっ!
これからの『表現者、小林未季』さんの御活躍が、益々楽しみになりました。
御多忙とは思いますが、頑張って下さい!!
未季さんのコメントを読ませて頂き、この数年間の思いを確認させて頂きました☺
私は、これからも、未季さんの歌声を、LIVEで応援させて頂きます❣
まだまだ、たくさん聴かせて下さいませ♀