6月に原作を買って読ませていただいてから、少し頭がおかしくなりました。
それくらい人を狂わせる力のある、素晴らしい作品です。
音楽を担当させていただけて光栄でした。
音楽チームをご紹介します。
阪田芙優(さかたふゆ)さん
おなじみの阪田さん。
今回は作編曲をメインに、そして素敵なヴァイオリンとヴィオラを弾いていただきました。
開演前に流れていた優里ちゃんと青野くんのたどたどしいピアノの音楽も彼女がつくってくれました。
いつも本当にありがとう。
谷崎舞(たにざきまい)さん
素敵なヴァイオリンとヴィオラを弾いていただきました。
一緒にゲネプロも観劇できて嬉しかったです。
小笠原一馬(おがさわらかずま)さん
楽しいパーカッションの演奏をお願いしました。
今作の楽器と登場人物のイメージは、
優里ちゃんが1st ヴァイオリン
青野くんが2nd ヴァイオリン
黒青野くんがヴィオラ
でした。
今回は全曲通して、常に”空白”と向き合っていたように思います。
いつも以上に一音一音の存在感が大きく感じられて、素敵な役者の方々の台詞の後ろで、時にやわらかく、時にじっとりと共存できるように、音を選びました。
ホラーの場面では、じりじりした音やごうごうした音も入れたり、
壊れたピアノの音とピアノの音を混ぜたりもしました。
黒青野くんが優里ちゃんのフリをして美桜ちゃんの家に入ろうとした場面の音は、ヴィオラでなくヴァイオリンで黒青野くんのメロディを弾いてもらいました。
翠ちゃんはヴァイオリンのチューニングをずっとし続けている音にしました。
いつまでもチューニングできずに苦しんでいるように感じたからです。
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今作はプレッシャーとのたたかいでした。
ですが、原作者の椎名うみ先生のSNSのコメントを拝見して、とても安心しました。
今回いちばん大切にしたい人でした。
それから、曲数が過去最高の65曲でした。
このままではおばあちゃんになった時に体が持たないので、
阪田さんと話し合って、人を増やそう、と決めました。
いろいろ大変だったけれど、
優里ちゃん役の生駒里奈さんのおっしゃったように「仏縁」を感じられる作品でした。
原作の漫画の13巻の発売が待ち遠しいです。
ありがとうございました!