6.4 『A New Normal』配信開始しました

こちらのブログやSNSでも書かせていただいていた、コロナ疲れを感じている人たちの心が穏やかになるお手伝いをしたい、という想いから作ったプロジェクトの楽曲が配信されました。

曲はこちらから聴けます。(クリック先の一覧から各種サブスクリプションに移動できます)

今回の『A New Normal』についてご紹介できたらと思います。

まず、この曲のメインメロディを担当する主役は、ヴィオラです。多くの場合、支える立場に立つことの多いヴィオラをなぜ主役にしたかというと、この自粛ムードの中、ものごとがはっきりとしない、混沌とした世界を表現するためでした。ヴァイオリンは華やかになりすぎてしまうし、チェロだとなんだか安心してしまうという感じがして、音域が両者の間にあり、かつ音域自体もとても広い、この言葉にはなかなかできない、なんともいえない世界のメロディを担当してもらいました。

曲の前半は、この不安定な世の中や、コロナ疲れを起こしている人たち(私も含めてなのですが)の心を表現しました。
後半はそれでもなんとか、また「新しい日常」に向けて希望を忘れずに、できることをやっていこう、励ましあっていこう、という人間の優しさや心遣いと決意を音楽にしてみました。

疲れ切ってしまった時に、BGMとしてこれを聴いて、少しでも穏やかな気持ちになったり、自分らしさを取り戻してもらえたらいいなと思って書きました。

また、この音楽を聴いて、何を感じても正解だと思っています。なので、今回のメンバーから、人によっては「新しい風が吹いて、芽吹いていく感じがする」という意見もあれば、「こんぺいとうを感じた」という意見もあり、私はどれもその人らしくて素敵だな、と思っています。

歌詞がない、インストゥルメンタルにした理由は、3月の時点で、どんな言葉も、大きな渦に飲み込まれてしまうように思えたからです。世の中の状況だけでなく、人の心の変化が怖かったこともあり、言葉を書くことができませんでした。また、仮に歌詞を書いたとしても、これだけ世界中の人たちのそれぞれのプライベートな状況に寄り添った歌詞など書くことはできなかったと思います。

ただ、これを書いている5月21日現在は、かなり多くの人が新しい日常を見つめることに慣れてきたのかな、と感じています。

次に、今回参加してくれたアーティストやクリエイターの方々のご紹介をさせてください。

viola 大辻ひろの Hirono Ohtsuji (https://hironvla.wixsite.com/hitsuji)
私のシンガーソングライターの活動にて、ヴァイオリンの島内晶子さんと共にサポートで弾いていただいています。彼女の演奏と人柄が好きで、さいたま国際芸術祭2020でも3月末に2人で演奏する予定だったのですが、無期限延期により中止になってしまいました。

今回は彼女のポテンシャルに大きく助けてもらいました。演奏だけでなく、ミックスについても、電話やメールでかなり細かいところまで一緒に作り上げてもらい、完成したときにはもう「素敵な仲間だ!ありがとう!」という感覚でした。今回一番時間と労力をかけてくださったと思います。ありがとうございます。

1st violin 島内晶子 Akiko Shimauchi (https://akikoshimauchi.weebly.com)
ひろのさんと同じく、サポートミュージシャンとして弾いていただいています。
私のシンガーソングライターとしての楽曲だけでなく、劇伴の作品でも大変お世話になっています。安定した美しさを表現してくれる、とても素敵な方です。島金島というヴァイオリンのトリオの活動(仮面の妖精)の中の人でもあり、ワンマンライブを観に行かせてもらったときには、演奏の合間にラーメンの湯切り(毛糸で麺を代用)をしていました。半端ない。

<Chorus>

太田裕哥 Yuko Ohta (https://www.ohtayuko.com)
深い愛に満ちたファンタジーの世界を届けてくれるます。どこにあるかもわからない深い森の中に住むエルフさん。私のかけがえのない友だち。しかしながら、ご紹介したい要素が多すぎて、すみません、彼女の紹介はとても難しいです。HPを見ていただけたらわかると思いますので、ぜひご覧ください。

Cana Sotte Bosse (https://www.cana-official.com)
Canaさんの歌を聴いて深呼吸すると、世界がやさしく、柔らかく、キラキラする感じがします。体中に音が満ちている方。尊敬していて、大好きな人です。疲れた状態で聴きに行くときは、厚手のハンカチが必要です。彼女の歌とお人柄に、たくさん助けてもらっています。

kaho* (https://kaaaaho.jimdofree.com)
彼女のバラード曲が特に好きで『百日草を君に』はイントロから泣いてしまうくらい好きです。このプロジェクトのアイデアをはじめに相談したのが彼女でした。やさしく背中を押してくれました。進化が止まらない、やさしいがんばり屋さん。大切な友達です。


川口直久 Naohisa Kawaguchi (http://www.kawaguchinaohisa.com)
私の心のアニキ。彼の音楽も人柄も、やさしさとかっこよさが共存しています。誠実さのかたまりみたいな人。ときどき電話で励まし合ったり近況報告をし合うと、お互い「わかる」の連発で、話が止まりません。どうやら何かが似ているようです。静岡県にツアーに行くときは、いつもGoodDayCafeでツーマンライブをさせてもらっています。

かわはらだゆうま(ツバクラメ) Yuma Kawaharada
(https://tsubakurame.themedia.jp)
やさしいお花みたいな人。人をとても大切にしていて、私もとっても助けられました。いつも彼の周りには素敵な人が集まっていて、ツバクラメというバンドの世界観のあたたかさと壮大さは、誰にも真似できないと思います。京都にツアーに行くときは、いつも素敵なイベントに呼んでくれます。

如月愛里 Airi Kisaragi (https://kisaragi-airi.com)
数少ない同じ歳のシンガーソングライター。気さくで、とてもかわいい人。
ハイトーンボイスがとっても綺麗で、真っ先にコーラスをお願いしました。彼女の『you’re my precious』という曲で作曲をさせていただいています。

小林未郁 Mika Kobayashi (http://miccabose.com)
世界中の人々を魅了し続けている未郁さん。ドキドキしながらお声がけさせていただきました。ライブにお邪魔するたびに、たくさんのエネルギーをいただいてきました。今回の参加にあたり、ミックスに関してもご意見をくださり、この曲を一緒に育ててくださいました。

辻村崇 Takashi Tsujimura (http://tsujimuratakashi.com)
愛里さん同様、同じの歳のシンガーソングライター。ユーモアに溢れた男。彼の「人と人を繋ぎたくて音楽をやっている」という言葉が大好きです。夕見子さんと、「ときどき」という夫婦デュオをやっています。彼らの結婚式で歌わせてもらいました。スーファミ仲間でもあります。

manzo (http://manzo-sound.jp)
たくさんの人の心の居場所を作り続けている、大先輩。彼にコーラスお願いするのは恐れ多いと思っていたのですが…参加していただけました。アメイジングです。いつも私の音楽性に寄り添ったアドバイスをくださり、やさしく向き合ってくださる方です。言わずもがな、この曲を完成させることができたのは、manzoさんのご指導のおかげです。
ありがとうございます。

夕見子 Yumiko (twitter: @you_miko1021twitter)
太陽みたいな人。彼女の心のかたちが大好きです。彼女が辻村崇さんと結婚するちょっと前に、『ミセス・ミー』という曲を作曲させていただきました。ちなみに、彼女もスーファミ仲間です。


<Music Video>

Photography by 浅見俊哉 Shunya Asami (https://asa19821206.wixsite.com/shunya-asami)
さいたま国際芸術祭2020でSightama Art Center Projectのメンバーとして一緒に活動させていただいています。芸術祭で彼の『一写一想』と2月にコラボレーションさせていただきました。彼の世界観にとても共感しています。

Direction by 松谷ヒロキ(パップコーン)Hiroki Matsutani (https://matsutanihiroki.net)
私の楽曲『液体』のMVを作ってくださったり、ワンマンライブでVJとして参加してくださっています。お願いするたびに、こちらがどうしても抽象的な表現になってしまうことがあるのですが、それを「なるほど」と言って叶えてくれる方。懐のとても深い方です。彼のニヤリとした時のお顔が大好きです。私の人生に素敵な影響をくださったクリエイターの方々にお声がけをさせていただきました。

この状況なので、レコーディングはそれぞれの環境でお願いしました。実際に立ち会うことはできなかったのですが、事前にメールや電話で丁寧に想いを伝えた上で、録音をしてもらいました。

コーラスは、曲に合わせて綺麗にまとまった合唱をするのではなく、とにかく自分らしく歌ってほしい、と依頼しました。

私自身、今回の曲の制作の過程で、ひどく疲れてしまった場面が幾度となくあったのですが、この大好きな人たちと励まし合いながら過ごせたことで、作品を制作するエネルギーを保つことができました。

とても正直な作品ができました。不安、不穏、不信、混乱。それでも消えることのない人間のエネルギー、愛、希望、笑顔、新しい風。

作品づくりを通してこのメンバーに大きく支えてもらい、本当にありがたい経験をさせていただきました。最高のメンバーだからこそできた楽曲です。本当に、本当に、ありがとうございます。

この楽曲は、言ってしまえば、ただ「在る」だけなのですが、それを聴いてくださったとき、何を感じて、なんでもいい、何か次の1歩に繋がったら、ミュージシャン冥利につきます。それが、愛や希望の連鎖のきっかけならば、なお素晴らしいことだと思います。

もしあなたが感じたものがあれば、ぜひ各種SNSやYouTubeのコメント欄に書き残してください。励みになります。楽しみにしています。

あなたの心が少しでも穏やかでありますように。

小林未季